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La Zone(ラ・ゾーヌ)
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    La Zone(ラ・ゾーヌ)
    (長嶺久美子・三重野直美・小山朋子)


    20世紀初頭パリ下町に大流行した民族音楽、ミュゼットを演奏する、
    ユニット「ラ・ゾーヌ」。地元札幌では初めてライブを観て、
    すぐファンになってしまう人も多いようです。私も。

    パクッ今のラゾーヌには、何かがあるように思えます。
    別に大げさなものではなく、
    客席を引き込んでくれる、よい空気の動き、みたいなものが。

    メンバーは見た目若いですが、3人とも40代前後の女性です。
    三年前、ほとんど楽器を演奏したことのないこの3人が、
    突然、ハートの矢を射抜いた(ラブはは)音楽、ミュゼットを
    「この手で弾く」と決心する。

    そして楽器店に飛び込み、アコーディオンとバンジョーをいきなり購入。(ピアノだけは、家にあったらしいです)それから、SPレコードを
    何十回も何百回も聴きながら、練習を始める。
    ツキモノがついたまま、3人はひたすら練習を続け、
    ついにライブに出演するまでになる。

    実は、最初に買った楽器はちょっと間違っていた。
    近くに偶然住んでいた、有名なプロのアコーディオン奏者が
    ライブを聴きに来て、それを教えてくれたそう。

    ミュゼットには独特な楽器が必要です。
    アコーディオンは鍵盤ついたピアノ式アコーディオンではなく、
    ミュゼット用のボタンアコーディオンだし、
    バンジョーも弦の数の違う別な種類のもの。

    正しい楽器で演奏してみると、ミュゼット音楽に合っていて
    演奏しやすいのですが、始めに買ってしまった楽器に
    合わせて覚えたことを、今さらやり直すのは大変だったよう。

    でも、又新しい楽器を持ち直し(時には元のバンジョーも使います。
    それも味)、
    3人は練習にのめり込んでいったのでした。

    ミュゼットは、パリの下町に大流行したダンス音楽。
    流れ込んできたイタリアやスペイン人、ジプシー他、
    ヨーロッパ各地の移民達とパリのフランス人でつくり上げた民族音楽。

    音楽の女神「ミューズ」から来た名称。
    20世紀初頭、アコーディオンをメインにしたバル・ミュゼットが
    大流行し、パリにはこの音楽を演奏する酒場、ダンスホールが
    沢山ありました
    (そう、メンバー経営のフランス居酒屋「ガンゲット・ダイマ」のような)。

    三拍子のワルツを中心に、ポルカやタンゴ等のさまざまな音楽要素を
    取り入れ、移民の国パリ、ベルエポックの文化が生んだ音楽
    とも言われているそうです。

    アーティストや、アーティストを目指す人が沢山パリに集まっていた
    古き良き時代、にぎやかで、お洒落で明るい音楽なのですが、
    背景の世相は一面、暗く、戦争や貧困などがあったそうですが、
    せめてココロだけでも元気に生きようという、
    パリの人の根性を感じますね。

    映画、オードリー・ヘップバーンの
    「昼下がりの情事」、「パリの屋根の下」
    でも知られていますが、

    同じくパリで大流行したシャンソンと違い、
    現在パリでミュゼットのことを専門的に調べようとすると、
    なかなか大変だそうです。

    客席で「ただ聴いてるだけ」の気楽さと楽しみを捨て、
    どんなに大変でも自分達でやることを選んだ3人は、手探りの連続。
    フランス語の辞書首っぴき、想念で時空を超えようとする3人は、
    またミュゼット音楽の懐深くたぐり寄せられていくのでしょうか。

    演奏はテクニック等の専門的なことは私には分かりませんが、
    ライブでは3人が、望んだ「曲」のまん中にあるものに、
    上手に引き寄せられていくのが、はた目にも感じられて、
    客席まで楽しいです。

    ラ・ゾーヌのライブを楽しいと言う人は、少なくないです。

    ライブで、年季の入ったプロのミュージシャン同士の個性、
    あくのぶつかり合いから、もまれて出来上がっていく音楽は格別ですが、
    ラ・ゾーヌは演奏は上手いけど、そういうのとは、又違うような…..。

    ラ・ゾーヌはプロのミュージシャンとしての自我もあくも出る間もなく、
    ミュゼットをただ「この手で弾く」ことだけを望んでいるカンジ。
    だから「弾けてしまう」んだと思います。

    ラ・ゾーヌはまだ場数を踏んでいないせいか、
    ライブ中のトークも精一杯のカンジがします。
    聞いてる客席がハラハラする時も、ごくたまに。
    でも逆にそんな所にもファン達は“天然もの”を感じて、いいなぁー、
    と思ったり。

    そう、いくつになっても「青春」はあるのです。
    ラ・ゾーヌはファンは20代〜80代まで幅広いです。
    前にフランスに住んでいた人も、よくライブやお店に顔を出します。
    すでに以下のようなのも。
    La Zoneのファンサイト

    「3人はこのままいくのだろうか?」
    いつか、ツキモノがちょっと落ちて、
    われに返る時があるのかもしれない。

    その時はココロの中にジゴクを見ねばならないのか?
    その時はその時で、また別の味わいが出ると思いますが、
    とりあえず今は、このまま3人に連いて行きたい、
    という気持ちにさせられたりしています。

    月一回、メンバーのやっているお店「ガンゲット・ダイマ」(音楽居酒屋)で定期ライブが聴けますし、あと道内の素敵なライブ会場でも、時々。

    どの曲もいいですが、
    特に「メフィアンス(Mefiance)・疑念」。
    題に反して、明るい曲想ですが、客席的に、この曲の素敵な所は、
    ラ・ゾーヌ全員の楽器の見せ場が、それぞれちゃんとある所です。

    そう、「疑い」は絶望の友。希望は失くしていけないと、
    私が勝手に励まされた曲でした。(解釈違うか)

    ちなみにラ・ゾーヌはとび抜けて、
    インテリアのセンスがいい人たちです。
    円山のカフェ時代も良かったですが、
    今年の秋の移転先の二条市場の中にある小さなお店は
    「これでもか」と言う程、当時のパリの下町趣味に走っていて、
    何度寄せて頂いても、満喫・満足です。

    またピアノの直美さんの考案するフランスお惣菜料理が、
    又とっても美味しいのですね。お酒も日本であまり見ない、
    フランスのお酒がいろいろ。
    いい意味で料理もお酒も大人の味が楽しめます。
    詳しいことは、うちのHPの「ライブのお店」を、ご覧下さい。

    長嶺久美子(KUMI)

    ボタン・アコーディオン奏者で、ミュゼットのリーダー。
    体育会系詩人。ガンゲット・ダイマのスタッフで、主に調理担当。
    見てるだけで、元気もらえるタイプ。
    子供みたい顔のまま、「この世に不可能はない」ことを
    私達ファンに教えてくれる人。


    三重野直美(NAOMI)  

    ピアノ奏者。 他の二人と違い、小さい頃だけ楽器(ピアノ)を
    弾いていたことがあるそう。
    ガンゲット・ダイマのシェフ&マダム。何か相談ごとを、
    持ちかけたくなるタイプ。

    小林朋子(JO)  
    はかな気だけど、芯の強そうなバンジョー奏者。
    普段、お店には出ませんが、やはり3人いないと寂しいような。
    ひっそりとした存在感のある人。

    参照
    Le・Zoneのホームページです。



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